はっさくミカン

まだまだ成長したい思いと、子供たちと過ごす時間の中での気づきを綴っています

『六番目の小夜子』恩田陸_六番目ってのが何気に怖い【読書感想】

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

  

 恩田陸デビュー作『六番目の小夜子』を読みました

 サヨコ伝説と謎の転校生 

ある高校にずっと長く受け継がれるサヨコ伝説。生徒の中から1人だけ何者かによって「サヨコ」が選ばれる

3年に一度、「サヨコ」の正体は誰にも知られてはいけない

六番目のサヨコが選ばれる年の話

この読んだ瞬間、ん?となるこの学校の伝説

でも、サヨコを一人選んで何をするのか?とか真相は誰も分からなくて

それぞれの生徒が聞いた噂は、いろんなまとまりのない噂ばかりが学校中に広まっているんです
そしてこの学校に転校してくる津村沙世子(ツムラサヨコ)という謎に満ちた生徒は、すでに亡くなり慰霊碑に刻まれていた生徒の名前と同じで…

“桜の木の下、黒い碑があった。

あなたがあたしを呼んだのね。わざわざこんなところから”

 青春の学園生活

 サヨコ伝説や転校生の謎など、不穏な闇が後ろにありながらも 

春は桜の木
夏は海
秋は文化祭
冬は受験勉強

それぞれの季節に象徴される出来事を通して、高校生たちのたった一度しかない学園生活のキラキラした青春を描き出している
そのキラキラ感が、本当にまぶしくて、かけがえのないものだという事がよく描かれているんです

 

生徒たちは繰り返す

本の中でも触れているけど、学校というのは不思議なものです

同じ年の子たちが集まって、一つの場所で長い時間を過ごす。その中で経験する勉強や部活や行事
精神的に言うと恋や集団だから起こる集団心理

1年が経って3年生が卒業しても、また新しい1年生が入学して同じことを繰り返す
閉塞的な空間の中でずっとずっと同じ事が繰り返される

そんな繰り返しの異質さと、かけがえのない時間の大切さを表したくて、著者は3年に1度というサヨコ伝説を当てはめたかったのかなと思いました